DVB-S で QPSK を使用する理由#
モデュレーション方式を選択する目的は、信号の特性と伝送チャネルを一致させ、受信側が信号をできるだけ歪まずに受信できるようにすることです。
DVB-S の衛星通信チャネルは、帯域制限のある非線形の恒定パラメータチャネルであり、モデュレーション方式には以下の要件があります:
- 衛星チャネルの非線形性と AM/PM 効果により、変調された波の包絡線は等振幅である必要があります。
- 衛星チャネルの帯域制限特性により、モデュレーション方式は RF 帯域をできるだけ狭く占有し、利用可能な帯域を効率的に利用する必要があります。
- デジタル通信システムでは、$\frac {E_b}{n_0}$ が同じ条件下で、誤り率が低いモデュレーション技術を使用することが求められます。これにより、抗干渉能力が高く、衛星トランスポンダの電力を節約することができます。
以上の理由から、PSK は ASK および FSK よりも帯域利用率と抗干渉性に優れており、さらに帯域利用率を向上させるために、BPSK から QPSK に発展しました。
DVB-S システムでは、伝統的な絶対マッピンググレーコード QPSK モデュレーションが使用されています。
QPSK モデュレーション原理#
位相変調は、デジタル基帯信号によってキャリア振動の位相を制御してデジタル情報を伝送する方法です。4 位相変調は 4 進数の位相変調であり、2 つのバイナリビットが 1 つの 4 進数、2 ビットのコードになります。したがって、00、01、10、11 の 4 つの 2 ビットコードがあり、キャリアの 4 つの異なる位相がそれぞれの 2 ビットコードに対応します。通常、4 つの位相は等間隔です。これにより、平均誤り率が最小になります。
DVB-S では、QPSK は絶対位相変調法を使用し、以下の図に示すようなブロック図を使用しています:
QPSK デモデュレーション原理#
QPSK デモデュレーションは、== キャリア同期とビット同期 == のプロセスです。
キャリア同期の目的は、受信側で送信側と同じ周波数と位相のキャリア信号を回復することであり、受信側のデモデュレーションを実現するためです。ビット同期は、受信側で送信ビットレートと同じビット同期クロック信号を回復するためのものであり、各データビットが 1 回だけサンプリングされ、その位置が最適なサンプリングポイントになるようにします。同期プロセスの前に、マッチングフィルタを追加して符号間干渉を除去し、同期プロセスに入る信号が最も高い信号対雑音比の状態になるようにします。
[[QPSK モジュレーション&デモジュレーション]]